GSOMIA破棄した理由は韓国経済発展が目的。

2019年8月22日に韓国はGSOMIA破棄という衝撃的なニュースが流れ、日韓でのホットな話題となっています。

ガキスケにとってもサプライズなニュースでしたが、破棄そのものはサプライズではなく今年破棄をしたことがサプライズでした。 早くても来年かなとみていたので。

GSOMIAを破棄する、これが何故衝撃的かというと。

・日米韓の安保体制が弱体化する

・日米から韓国へ報復がくるかもしれない

・米韓同盟破棄につながる

・韓国がレッドチーム入りする

・中北露が有利になる

・韓国がアメリカに逆らった

などなど、報道ではこういった内容から衝撃的に報道されています。まあ、あり得ない選択なのでサプライズであったというわけです。

ガキスケとしてサプライズだったのは、日米の報復に対して韓国は準備不足、更に、韓国内世論もGSOMIA支持があり国内を2分してしまう。

つまり、対外的・対内的に準備不足と考えていたので、このタイミングでの破棄はサプライズでした。逆を言えば準備が整えば、当然の選択として捉えていたので、メディアが指摘する他の内容はサプライズには該当しません。

■韓国の選択は感情的で馬鹿な選択か?

ガキスケは今回の韓国の選択の背景にあるのは、米中貿易戦争にあるように、米中の冷戦がアメリカにつくか中国につくか、そうした板挟みに韓国がされたことが要因と考えています。

韓国からすれば、アメリカとも中国とも仲良くすることがベストですが、THAADを配備し中韓関係が冷え込んだことからして、現状の韓国の置かれている環境は、米中両国と同じように付き合うことが難しい、極めて困難な状況にあった。

つまり、米中のどちらにつくかをハッキリさせる必要が韓国にはあったわけです。

現在、韓国は防衛に関してはアメリカ側に属していますが、一方で経済面に関しては中国に対しての依存度が米国よりも高い状況です。

実は韓国から中国への輸出金額は日米への輸出金額の2倍以上あります。更に韓国は輸出依存度が韓国経済にしめる割合が高く、中国は韓国にとって一番大切なお得意様です。

つまり、韓国では防衛はアメリカ、経済は中国というねじれ現象が起きているわけです。これが、韓国が米中板挟みの最大要因であるわけです。

今回のGSOMIAの解消はそのねじれ解消、つまり、中国側につくための措置であり、経済面を考えれば、馬鹿な行為ではなく合理的な判断であるとガキスケは考えます。

■日韓の国際情勢感の違い

ネットを見る限り韓国がアメリカに抗うのはありえない、安保を後退させるのはおかしいという意見が多い。これはどうも、国際情勢感を見誤っているのではないか。

アメリカに関しての地位だが、たしかに世界1の経済大国ではあるが、かつての戦後を引っ張り、冷戦後はG1として世界最強の座に君臨した当時の覇権国家では今はもうない。

それどころかアメリカ第一主義に走り、パリ協定を抜け、NAFTAWTOを脱退の示唆、また、カナダやメキシコの隣国にすら関税をかけるなどしています。

そうした動きを見てかフィリピン大統領は脱米親中を唱えたこともあります。

一方、中国は2030年にはアメリカを抜き経済大国一位になると予想されています。そうした影響からか、今年の動きで中国のウィグル人権に関して22か国が批判をしたのに対し、37か国がこの問題に関して中国を擁護しました。

つまり、それだけ中国の地位が世界で高まっているわけです。

日本ではアメリカを未だに安定した世界の覇権国と観ている人が多いかもしれませんが、韓国は世界は米中のG2または、EUを含めたG3体制で世界を観ているのだと思います。私も今世界はG3体制で成り立っていると考えます。

つまり、こうした世界の覇権状況をG3またはG2で観た場合に、中国の経済依存度が高い韓国がアメリカよりも中国を選択することは、おかしいではなく、極自然な選択をしたと見るべきです。

北朝鮮との経済協力に関して

北朝鮮との経済協力に関しては、実現性に課題はあるにせよ、文大統領の演説通り韓国経済には大きくプラスになるメリットがあります。

まず、韓国は日本同様にまもなく人口減少社会になり、このままでは経済縮小は避けられません。

その対策として、すでに年間10万人規模の移民政策を行っていますが、人口減少を止めるには十分ではありません。

当然、人口2500万に有する北朝鮮はその課題解決策の一つにはなり得ます。特に北朝鮮は韓国と言語が同じであるため、労働力として活かしやすいことが最大の利点です。

また、人類は安価な労働力により経済成長をしてきました。古くはローマ帝国奴隷制度、戦後日本の高度経済成長における農村部住民の活用、現在ではグローバル化による発展途上国の労働者の活用がこれにあたります。

未活用で安価な労働者を活用し供給量を増加させる一方、労働者自身も消費者としてあらたな消費者を市場に増やし、信用創造(融資)をもってさらにその流れを強化をする。

これが、これまで人類の発展の歴史の中身です。北朝鮮との経済協力はつまり、新たな経済成長ができるという文の主張は正しい判断と言えます(日本を超えるかはさておき)。

さらに、韓国は一帯一路に参加していますが、陸上輸送は北朝鮮が通り道にありできません。経済協力により、この問題の解消もまた韓国経済にとってはプラスになる話です。

そのため、まず半島の緊張感を解くという選択肢は間違った判断になるのでしょうか?

表向きはGSOMIAを緩和したことは、北朝鮮に対しての融和姿勢を強めることを狙いにした措置ではありません。しかし、韓国が脱米する方向にあることは、北朝鮮側には朗報であり、南北緊張緩和にたいしての効果は期待できるでしょう。

■長期的にはプラス、短期的には?

ここまで説明したように、今回の韓国の措置は長期的な展望としては韓国経済にプラスになる話です。

ですので、方向性に関しては合理的な判断であると言えます。

ただし短期的には、アメリカのメンツを潰したことからも、何かしらの報復措置を韓国が受ける可能性は高いと見ています。

クリミア問題の際に、原油高からロシアのルーブルが暴落したことがありました。あれはアメリカの金融攻撃ではないかと囁かれていましたが、同様の攻撃を韓国は受ける可能性は否定できません。

また、スキャンダル報道など一部出ていますが、文更迭の画策もより行われることになりそうです。

アメリカの反逆なるか?

今回の韓国の措置に対して、アメリカがどのような対応をするか、またはできるか? 関心を持って見ていきたいと思います。