タイで物流営業してわかったこと、タイの海は真っ赤っか

事前情報なしで、急遽タイで営業することになりもう少しで一年

 

飛び込み中心に色々な企業さんを訪問して見えてきたこと。

まずは配送に関して

 

□配送:大口配送(車両単位)

1.自動車系の納品はミルクラン(納品先が納品の車両を手配)

2.日系も含めて多くの企業はタイの現地配送会社を利用(安いため)

 

まず1に関しては、納品先のメーカーに営業をかけないとどうしよもないです。品質・納期・コストに高いレベルは要求されます。私が今所属する会社は、物流は本職ではない、物流レベルは結構低いので、ここをせめても取れません。現状は接触はしていません。

 

2に関してはコストで勝てれば、仕事は取れます。

 

ただしローカル企業はめちゃくちゃ安いです。下手すると利益なしか、一人親方のトラック運転手が自分の日銭を稼げればそれでよいという価格設定かもしれません。車両購入費用も減価償却を割りだすための距離・年数はかなーり長く見積もってるのかもしれませんね。

 

普通の原価計算では、車両費・燃費・人件費(ドライバー)以外にも保険・他固定費などありますので、ローカル企業と対決する場合、1件ベース利益はよくて微益、赤字にもなりえます。

 

普通の輸送の仕事自体、特に車両単位の案件に求められる技術は少ないです。なので、こうした仕事は外資は奪わず、ローカル企業にやらせるほうが社会の在り方として健全といえば健全ですね。

 

ガキスケが所属する会社も、現状、この運輸産業に入り込める余地は極めて難しいと考えています。

 

ガキスケの会社には参入は難しいですが、しかし手がないわけではないとも思っています。

 

□タイにおける大口配送(車両単位)の新規参入の可能性

1.物量

物流コストの減らし方ですが、これは物流をやっている人ならだれでもわかっていると思いますが、まずは物量の規模が大事です。

 

一か月にあるかないかの物量と、毎日、配送がある物量の場合。前者は庸車で対応し物流コストが上がりますが、後者なら自社物流にでき庸車に支払うマージン分のコスト削減ができます。

 

さらに言うなら、物量が多くなれば、空荷配送をなくせる可能性が高まりますよね。物量が少なければ、納品してから帰る距離は仕事なしでの空荷運航ですが、案件が多くなれば、納品してからどこかの工場から荷物を受け取り空荷をなくせます。

 

2.配送ブローカー

または、既存の配送企業に対しての胴元になり、配送会社と顧客の輸送ブローカー業も可能性はると思います。配送ブローカーとして、多くの配送企業と提携し通常からの割引価格を提案するサイト提供を行うことで、低コスト物量を求める顧客と空荷を解決したい配送企業のギャップを埋めることができます。

 

ちなみにうちの会社の場合、投資は行わないためこの可能性はありません。

 

3.次世代カー

他可能性があるのは、次世代カーでしょうね。

現状ならばエコカー(低燃費車)、タイでもLNG車は珍しくない一方、二酸化炭素まき散らす車両が多いのも事実ですね。タイでは大気汚染も課題となっているので、低燃費車の普及自体はタイの社会が需要しているものであり、これを推進することはよいことだと思います。

 

技術革新に目をとがらせ、ローカル企業に勝てる原価を出せるかどうかを、この側面からアプローチをかけるのも一つの手と提案いたします。

 

□タイの倉庫

普通の常温倉庫の新規参入する場合、こちらも完全にレッドオーシャン化してますので参入は厳しいのが実態ですね。また多くの企業は自社倉庫を保有していますので、まずこの時点で外注する需要自体がタイでは少ないです。

 

需要があるのは、短期的に自社倉庫のスペースが少なくなった場合の臨時避難先として企業には活用されています。ですので、この場合、立地条件が極めて重要です。倉庫業を行う場合は、工業団地に立地していなければ、この時点で他の倉庫と比較し優位性がないため仕事をとることはさらに難しくなります。

 

一方、商社のように自社倉庫を持たない企業ですが、この手の企業は輸出入から一貫して同じ物流会社を使う傾向にあります。商社は悲しいかな、コストよりもこれまでの付き合いからの信頼性を重視しているようにガキスケは感じました。

 

ただし、それでも商社は立地条件は団地内でなくても可能性はありますが、配送コストでメリットが出せるかがカギになります。

 

□タイの倉庫の新規参入の可能性

タイの倉庫で新規参入する場合、普通の常温(伝統的倉庫)では競争が激しく新規参入は容易ではありません。

 

ですので、とがった分野(ニッチ)での参入のほうが可能性はあります。

 

これまでの顧客からのヒアリングでは危険物倉庫は供給が少ないという情報がありますので、顧客受けはしやすいかもしれませんね。とはいえ、需要自体も少ないので、倉庫を満載するのも今後の市場規模の成長を見通さないと「あいたたた」に、なりそうです。

 

4.なんだかんだでお付き合い

最後にですが、いろいろと顧客訪問して、他の日本人の方から言われることに、ノミュニケーションやらゴルフ仲間になるほうが通常の営業よりも仕事をもらいやすい、ということは共通した意見でありました。

 

以前、世間学という本を読んだことがあります。この本で紹介されている内容で「日本人は場を重んじる」とのことです。ようは一緒の場を共有している人を仲間と考え、同じ場でない人は、例えば同じ会社でもあっても課が変われば、飲みにいかなくなるように、仲間と認識されにくくなる社交性があるとのことです。

 

日本人相手に商売するなら、私もそろそろゴルフでも覚えて和にはいらないといけないということか^^;